年画はすごいー・五子奪魁

  • 2018.06.08 Friday
  • 18:18

童子が冠(=官=guan)を持ち、鹿(=禄=lu)を抱いてる。

つまり官吏となって出世すること=加官進禄を願う年画。

 

漢民族の願望は、お金持ちになること! 

 

長年漢族(特に私の場合、漢族の中でも金銭に聡い上海人やから)と接していると、

漢族の善とは=お金があること、悪とは=お金がないこと。・・・に尽きると実感。

だって、

新年の挨拶が恭喜発財(=儲かりますように)やもんねえ〜

ただ、文革時には銭儲けが禁止されたけれど、

最近はそれも心置きなくできる環境になり、人々は嬉々として銭儲け道に邁進してますが、

民国以前、庶民がお金持ちになるには、官吏になるしかなかった・・・

 

 

そして官吏になるには、科挙に合格するしかない!

その科挙に合格することを、蟾宮折桂とも呼びます。

 

        

 

蟾宮は月のこと。 女神嫦娥は、天界の秘薬を盗んでしまい月に逃亡するも、

その罪により蟾蜍にされてしまったから。また月にある神木は桂。

普時代、科挙に合格した郤跣(ゲキシン)は武帝に問いに

科挙合格など、わずかに桂の一枝を折ったにすぎない・・・と述べました。

合格してから後の宮廷での出世競争、人生そのものを熾烈さを例えたのですね。

その故事により、折桂は科挙合格そのことを指すようになったのです。

なお上記の年画は、

童子が連銭を持ち富貴花(牡丹)が咲き、橘=吉=jiと蝙蝠=遍福=bianhufu

まさに幸福のかたまりのような状態。

科挙に合格するということは、桂の一枝を折ったにすぎない、とはいえ、

庶民には、とんでもない栄光と栄華を約束されたことになるのですね。

 

               五子奪魁

 

この年画は、最年長童子が高々に掲げてる兜を、他の4人が競って奪い合っている図。

科挙の合格率は3000倍!という超難関。

科挙最終試験=殿試の首席を状元、もしくは魁甲と呼び、兜=魁=kuiなので、

つまり、難関の科挙試験への合格祈願なのです。

 

 

 

五人の童子は、実は五経を象徴してします。

五経とは、中国文人が習得しなければならない儒教の基本経典で、

<易経・書経・詩経・春秋・礼記>のこと。

        →→四書=大学・中庸。論語・孟子

そしてまた、宮廷で五経を教学する五経博士になる様に〜との願望も含まれています。

 

 

 

             魁星

 

魁星は、中国古代天文学の二十八宿のうちの奎宿が神格化したもの。

現代では、北斗七星の第一星にあたります。

殿試首席合格者を魁甲とも呼ぶため、いつしか科挙受験者たちに信仰されます。

 

 

魁星の図象は、文章を司る神なので筆を持ち、伝説の大海亀=鼇(べつ)に乗っています。

宮廷では、

魁甲(状元)のみ、鼇の石碑のそばに立つことができるのです。

 

 

 

 

 

民国時代、牛乳会社の宣伝年画。

中央の女性は、おそらく当第一の名女形<梅蘭芳>、だと思います。

 

 

 

 

五子奪蓮も五子奪魁と意味は同じ。蓮=連=lian。続けて試験に合格し、

その幸福が連綿と途絶えないことを願ったのです。

 

でも科挙受験地獄は過去のことでしょ?

いえいえ、現代中国の受験地獄は科挙を上回っており、

そのことは次回にて紹介するつもり〜〜です。  

                        続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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