端午の節句-1

  • 2018.04.26 Thursday
  • 21:15

       魔除けの鍾馗絵を飾る図

 

旧暦5月5日は端午の節句 中国では端午節

 

日本では男児の節句祝いとして鯉のぼりを立て、ちまきや柏餅を食べますが、

中国でも粽子=ちまきを食べ、賽龍舟(ドラゴンボートレース)でお祝いします。

ただし、中国では『女児節』とも呼ばれ、主に少女の為の節句でした。

 

     端午節 天気熱 五毒醒 不安寧

〜〜端午の節句は天気は暑くなり、五毒(虫)が目覚めて心身が不安定になる〜〜

 

端午は、端五・端陽・重五・重午とも称しますが、

五月はじめ(=端)の午(=五=wu)の日であるとともに、夏至のはじまりを意味します。

道教陰陽説によれば、

奇数は陽、偶数は陰とするので、5月5日は陽x陽=陰で重陽。

陽が重なる目出度い吉日、と勘違いしている説明もあるけれど、実は真反対で不吉日。

陰気が強いと、鬼・亡霊たちや五毒(虫)が活発になるのです。

→→五毒とは、蛇・百足・蜥蜴・蟾蜍・蜘蛛or蠍

つまり端午の節句は、悪月鬼日。

 

だから皇帝は、陰気が鎮まるのをお籠りして精進潔斎し、

人々は、家を建てるのも新しい仕事に就くのも禁忌。

この日生まれの子供は縁起が悪い、と捨て子さえもしました。

なので端午節は、厄除け魔除けを念入りに施す日でした。

 

               門飾り

 

五毒虫に対抗する避五毒には、

菖蒲・よもぎ・紅花・ニンニク・唐辛子の五毒草を門に掛け、

さらには鍾馗・張天師図や五毒呪符を貼り、艾人形を飾ります。

 

           五毒符

  

 

五毒虫を瓢箪で包み込んだ絵を<五毒協合>と呼び、

幸福の護符となります。

なぜななら瓢箪は漢語で葫芦=福禄=hulu だから。

 

 

    虎は、五毒を打ち負かす

 

瓢箪は、多くの実が成るので子孫繁栄の象徴。

くびれた胴体は女性を表し、さらには天地をも表現しており、

それは、陰陽が充満した最高の状態であるとして、

中国人は瓢箪の意匠を好むのです。

 

  

 

更には、鍾馗・天師画や呪符を朱色で描くと、最強の護符となります。

朱には朱砂が混入されていて、つまり水銀入りなので毒消になるわけですね〜〜

 

     

 

                  五毒餅

 

五毒餅は、ハマナスに蜂蜜を混ぜて五毒を焼き印したお菓子。

 

中国全土に伝わる端午節の習俗も、元は江南地方(長江より南)から伝来したもの。          

江南地方の旧5月(新暦6月)は、日本と同じ入梅の時期。

伝染病が発生しやすく、体調も崩しやすい。

だから魔除けを施し、更には

五黄(黄瓜・黄魚・黄鱔(田うなぎ)・咸蛋(あひる卵の)雄黄酒)を食し

五辛(=ニラ・ラッキョウ・ネギ・ニンニク・ショウガ)を使用した料理を作り、

五毒餅を食べたりして、普段より栄養をとるのですね〜

 

                  五毒腹掛け

わざわざ五毒を刺繍し、毒を以て毒を制するのです。

 

子供は国の宝。しかし昔は子供の死亡率は高く、

その原因が鬼としか想像できない時代、親たちはあらゆる魔除けを考えました。

 

                続命縷(しょくめいる)

        

 

五行思想によると、宇宙の森羅万象は5個の元素=火・水・木・金・土で成立しており、

五色とは五元素に基づき、火=赤、水=黒、木=青、金=白、土=黄。

この生命根本の五色(赤・青・黄・白・黒)の糸は、永遠の生命の象徴。

そして続命縷が、日本の鯉のぼりの吹き流しになるのですね〜

 

              老虎帽

 

虎は、五毒に打ち勝つ無敵の王者。

五毒艾虎として、子供に虎の帽子、腹掛け、虎枕、虎靴を履かせます。

 

          艾蟾蜍枕

 

虎枕や蟾蜍枕には、よもぎを入れます。

よもぎは艾、お灸に使用される重要な薬草。

毒虫よけになるのはもちろん、その香りは子供の安眠を誘うのですね〜

また、女性は髪に挿したりもしました。

 

蟾蜍=ヒキガエル=せんじょ。中国の伝説では月に住んでいて、元は仙女の嫦娥。

彼女は、西王母の不老不死薬を飲んだ罪で蟾蜍にされ、月に追われたのです。

一般的に、ヒキガエルには負のイメージがあるけれど、

中国では、蛙(カエル)は卵を多く生むので、子宝・繁盛・富裕の象徴であり、

赤ちゃんの娃=蛙=wa、が同発音で、子供の守り神でもあります。

また、蟾蜍は外傷薬や下痢止めになり、さらには端午節頃の蟾蜍はとてもよく太り、

それに博打にも効力ある(?)とかで、男性は率先して食べたりもしたようです。

 

             掛香嚢

五毒草を入れた香嚢。これが日本に伝来し薬玉になりました。

 

端午節のよもぎ・もぐさは特に効力が高いとされ、人々は薬草摘みをし、

またこの日に古い薬草を処分する、一年の節目でもありました。

 

                                        菖蒲洗髪

 

日本の端午の節句には、菖蒲湯の習俗がありますが、

韓国の女性は、菖蒲で洗髪したり菖蒲の簪飾りをするそうな。

菖蒲の簪は虫除けだけれど、人間の虫=男避けでもありますね〜〜

 

              打午時水             

 

5月5日重陽の悪日も、午の刻・正午は陰気が弱まり、陰陽が調和する時刻。

この時、体を活性化するために水を飲みます

 

               立蛋

 

この日に卵を立たせると、幸福になるとのこと。

 

上記は江南地方の習俗だったけれど、今では台湾で盛ん。

なぜなら台湾に移住した人々は、蒋介石はじめ殆ど江南人なので〜〜

 

              点雄黄

 

現在、復活した江南地方の習俗として、

大人は雄黄酒を飲み、子供は点雄黄をします。

雄黄=ヒ素の粉末と蒲の根を焼酎につけたものを、虫よけとして子供の顔に塗るのですね〜

なお、余った雄黄酒は庭に撒いて消毒とします。

 

          天中辟邪鍾馗       

 

天中とは5月5日のこと。1・3・5・7・9の奇数(天数)の中央が5だから。

 

             中堂鍾馗画

               

魔除けの鍾馗年画は、普通は門に貼るものですが、中堂は客間、つまり室内用です。

 

 

             続く

 

 

 

 

 

 

             

 

 

コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM