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    春節に至るまで-2

    • 2018.02.01 Thursday
    • 07:18

            小年を迎える子供たち

     

    小年は、旧暦12月23日(今年は2月8日)から始まるお正月(2月16日)準備期間。

    そして、

    お正月準備をどのようにしたら良いのか、ということを説明した伝承歌が*腊月歌

         *腊は12月のこと

     

    23日 糖瓜祭灶送天 24日 掃屋子 25日 作豆腐 26日 刀割肉

    27日 殺公鶏(雄鶏)28日 蒸饅頭 29日  飾香炉 30日晩上 点灯籠

     

    これを見ると、中国人がいかに春節を待ち望んでいるか、わかりますね〜〜

     

               送竈神

     

    中でも最も重要な行事が23日(南方では24日)

    送竃節糖瓜祭灶送天=竈神に麦芽糖を備えて天に送るのです。

     

               竈神

     

    竈神=灶神は、灶王爺・司令灶君・東厨司令とも呼ばれ、

    道教の最高神=玉皇大帝の3番目の弟とも、

    伝説の炎帝・黄帝など、諸説さまざま。

    ともあれ。

    竈神は食の神ゆえに、どこの家の台所でもお祀りしています。

     

    竈=台所は女性の聖域でもあるので、灶奶奶(奥さん)も共に祀られることも多い。

     

    さて。

    灶神は竈=食=生命の源を司るので、だから人の寿命の生殺与奪権があり、

    悪状のある者は、寿命を削ることができるのです。

    23日は農暦では小歳暮で一年の締めくくり。

    灶神は家族の行状を一年間見てきており、その評定をしそれを天帝に報告に戻るのです。

    人々は、だから灶神に甘い報告をして欲しくて、灶神に麦芽糖を供えたり、

    麦芽糖を口に塗りつけたご神像絵(年画)を焼いて神送り=送竃するのです。

     

     

    焼かれた年画=煙は、台所の煙突から抜け出て天上に上がっていき、

    つまり台所は、天界への通用門でもあるのです。

    家人たちは「好話多説、不好話別話」=好いことはたくさん話し、悪いことは言わないで。

    と唱えながら送竃するのですが、中国人らしい現実的な行事ですね〜〜

    でも一説には、竈神は天界一のプレイボーイ。

    天女たちへのナンパに忙しくて、天界の仕事はサボリまくり。

    困り果てた天帝が、彼を竃神として地上に送ったとか。

    竃なら、必ず女性と出会えるから(笑)

    ま、そんな竈神なので、人間の都合の良い願い事も叶えてくれるわけですね〜

     

    そして31日大晦日。接竃=天界より戻る灶神を迎えるために餃子を供え、

    新年子の刻(午前12時)爆竹で 盛大に迎えるのです。

     

                    老鼠嫁女

     

    大晦日の夜、台所・ベッドの下に鼠への食べ物を供えます。

    鼠は子宝の象徴だし、正月のご馳走を食い荒らさないように〜ということでしょう。

     

    老鼠嫁女=鼠の嫁入り伝説は、老鼠夫妻の一人娘の良い嫁入り先を、夫婦が探し歩くのですが、

    まず太陽。太陽は雲を恐れ、雲は風を恐れ風は壁を恐れ、壁はそれを齧る鼠が怖い。

    鼠が恐れるのは猫!。ということで旧暦12月 25日(塡蔵節=豊作を予祝する)に

    娘を猫に嫁がせるも、娘は猫に食われてしまった〜〜という内容。

    つまり結婚は、双方釣り合う相手が相応しく、高望みをするべからず、

    という教訓・戒めとして、娘のいる家が新年の年画として飾るのです。

     

                  鴻運当頭花

     

    お正月に飾る花。

    鴻運当頭=鴻=紅=hong、当頭=出くわす。つまり幸運に恵まれるという意味。

    またそれが長く続くように=一路長鴻

    この花以外には、柑橘類・水仙・蝋梅・万年竹もよく飾ります。

    家中花が溢れていると、花開富貴=花咲くようにお金がいっぱい〜〜なのです。

     

                   鴻運当頭魚

     

    紅を尊ぶ民族なので、正月の正装ではもちろん紅服を着ます。

    ところが、年男・年女は厄年になるので紅服禁止。

    その代わりに紅い靴下を履くのだけれど、昨今は紅パンツが流行

     

    竈神を天に送り、大掃除も終わり年画・春聯も新しく張り替え、

    年夜飯(正月料理)も準備万全となる除夕=大晦日。

    除夕は送旧迎新のための最重要な日で、分歳・守歳をします。

    まず、夕刻に祖先や諸神を祀り終わると、家族一同が家長に辞年の挨拶をし、

    そして一同が飲宴をし、これが分歳。

    分歳が済むと、一同子供に至るまで夜通し眠らず元旦を迎える。これが守歳。

    ところで。

    大晦日を除夕と称するのは<逐除>を行う日だから。

    12月は最も陰気が盛んで、鬼達も活発。

    だから各家では、魔除けの門神・鍾馗の年画を貼るのですね〜〜

    さて。

    逐除は瘟鬼(疫病を起こす)を退治すること、つまり追儺(ついな・鬼やらい)のこと。

    元来、追儺は四季に応じてされていたようですが、

    唐時代には大晦日に限定され、除夕儺となりました。

    鬼は人が眠っている間に人体に忍び込むので、人々は不眠で新年を迎え、

    新年を迎えたと同時に、爆竹で鬼を冥界に追い払うのです。

    また。

    その追儺と共にされるのは跳神・跳鍾馗。

    将軍・判官・竈神・土地神・鍾馗の扮装をした隊列が、

    厄払いとしてドラ・太鼓を打ちながら村内を踊り歩き、これが後の獅子舞となったのです。

    もっとも〜

    跳鍾馗は、現在では端午の節句の厄払いに活躍するようです。

     

                                             跳鍾馗

     

    除夕儺の行事や跳鍾馗は、南方や台湾では盛んだけれど、

    上海では全く廃れてしまい、

    それどころか爆竹さえ禁止なので、なにか寂しい昨今の春節・・・・・・・

    ともあれ。

    家族一同揃って春節歓迎晩会(中国版紅白歌合戦)を見ながら、新年を迎えるのです。

     

     

    追伸・・・大晦日の夜、若い女性の刃物・包丁・ハサミの使用禁止。

         新年早々ケガしたら、縁起悪いですからねえ〜

         もし食器や陶器を壊したら、歳歳平安・歳歳有余(歳=砕=sui)と唱えて

         凶を吉と化しま〜〜す。

     

     

     

                             続く

     

     

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