年画はすごい-避馬瘟

  • 2018.08.19 Sunday
  • 08:17

 

この絵は三つ目の馬王が、宝物を載せて帰宅する柵門年画

柵門年画は家畜小屋に貼られたもの。

古来(現代も)農業を主とする中国。農民が恐れるのは家畜の伝染病に天候不順。

だから、家畜の疫病除け、豊作祈願の年画を重視したのですね〜

 

 

              馬到成功

 

洋の東西に関わらず、馬は重要な交通機関であるし、武器・戦力にもなり、

財産や身分の誇示ともなる、とても大切な動物。

まして農業国の中国。家畜6畜=馬・牛・羊・鶏・猪・犬の筆頭が馬。

それほど馬は重要で、人間とは深い絆で結ばれている動物。

それを踏まえて。

漢語では馬に上がる=馬上の意味はすぐに・たちまち!ということ。

人が馬に乗っている年画は、すぐに願い事が叶う、ということなのです。

 

                  馬上封侯

 

馬に乗る人は当たり前だけれど、年画ではしばしば猿が馬に乗っているのですよね〜〜

猿の漢語は猴子。侯爵にかけていて(猴=侯=hou)

馬上封侯とは、すぐに官吏になれる、出世は近いという意味。

 

 

                                              避馬瘟

 

馬の疫病除け年画が避馬瘟。絵の猿は、斉天大聖こと孫悟空。

天上界には御馬監(馬の役所)があり、そこでは1000頭の天馬を飼育。

(自称だけれど)斉天大聖となった悟空は、

天帝より、御馬監の長官=弼馬温に命じられるのです。

喜んだ悟空は真面目に勤めに励むも、御馬監の部下より真相を知ることに。

それは。

弼馬温=避馬瘟=bi・ma・wen

猿ごときに神を名乗られた天界の神たちが怒って、

悟空に弼馬温という聞こえの良い役職を与えながら、

実際は避馬瘟という魔除けの馬番を命じたワケでした。

神に騙された悟空が怒るのは当然。天界で大暴れして(大闹天宮)

その天罰として釈迦に石猿とされ、それが壮大な西遊記の始まりとなるのです。

 

 

じっさい、馬と共に猿を飼うことがあり、

その理由として、1=猿といることで馬に適度な緊張をもたらす。

2=猿が馬の毛繕い=(寄生虫を捻りつぶすなど)をする等。

馬と猿は、相性が良い動物なのですね。

 

ところで。

私が初めて西遊記を知ったのは、堺正章が悟空役のTVドラマ。

三蔵法師が夏目雅子で、その美しいこと!

それで、岸部シローが沙悟浄=河童。

で訪中して衝撃やったのは、沙悟浄は河童ではない!!!

沙悟浄は沙僧・沙和尚と呼ばれてま〜〜す。

沙僧は、前世は天帝の守護をし、現世では三蔵法師の輪廻を阻む水の妖怪。

10回転生した三蔵法師を、9回まで殺害した西遊記の根本となる人物なので、

河童=日本の三枚目イメージとは全く異り、三蔵より知恵者なのですよ。

中国人に「日本では沙僧が何で河童やねん?」と訊ねられて、

「水の妖怪を日本人にわかりやすく、河童としたんかな」と苦し紛れに答えたりして〜〜

 

絵本としての西遊記も面白く、妖怪に立ちむかう孫悟空に声援を送るのだけれど。

大人になって読む西遊記は、そこに込められた示唆の深さ多様さに感動しつつ、

妖怪と成り果ててしまった元・神々たちに同情する自身がいるのです。

 

              馬王

 

旧暦6月23日は馬王節=馬神である馬王の誕生日。

馬神を祀る風習は、紀元前11世紀頃にはすでに確立。

馬は霊魂を天界に運ぶ霊獣だとも考えている中国人は、

お葬式のさいに紙や竹で作った馬=紙馬を燃やし、それが焼冥幣(紙銭を焼く)の風習と発展。

日本でも精霊馬がありますよね〜

生きている間はもちろん、死後も世話になる馬はとても大事。

なので、農民たちは馬王節を盛大にお祝いします。

農民のみならず、馬によって生活する車夫は、

馬王に喜捨するために、馬王節には馬車賃が数倍高くなったそうな。

それに、馬王はなぜか回教徒とされ、なのでこの日は豚肉は食べないのです。

 

 

また、

馬王は三つ目で4本の手を持ち、全身を鎧で武装している武神でもあるので、

軍人も崇め、兵舎にもお祀りしました。

 

 

馬王も在るので、牛王も当然在るわけで、両者は共にお祭りされることが多いようです。

牛王・・・農業国ゆえに、牛も重要動物。

春節頃に、耕作を良くするように牛を打つ中国独自の風習=春牛があったりするので、

次回に詳しく紹介します(予定・笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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